お金で幸せは買えない
ネタ:自分のお給料を下げて会社に貢献した社長が家族に訴えられる
http://gigazine.net/news/20151026-company-pay-employee-70000-dollar/
少し前の話になるのですが、昨年4月に自らの収入を10分の1にまで下げ、社員の最低賃金として7万ドルを確保すると宣言したクレジットカード処理会社Gravity PaymentsのCEO、Dan Price氏。実際に有言実行した結果、70人の従業員が昇給し、そのうち30人の給料は倍以上に増やすことができたそうです。SNSやニュース動画により、この影響は大きく広がり、会社には1週間で4500通を超える履歴書が送られてきたり、アメリカ各地で最低賃金についての討論が開かれたりと、一つの社会現象のようになっていました。
自分の給料を下げたことで、社員にも会社にもポジティブな結果が生まれたのですが、一方で、Price氏自身の兄であり、共同設立者であるLucas Price氏が、“CEOは今まで自分の給料を高額に設定していた、会社のお金を個人の目的のために利用していた”として訴訟を起こしました。またメディアからも、直後の反応とは逆に“Price氏がニュースやSNSを利用して自社の評判を広めた”などと非難が相次ぎ、その結果、Price氏は持ち株を全て売り、年金貯金を空にして、2件の不動産を抵当に入れ、合計で300万ドル(約3億6000億円)の私財を会社に投じることになりました。
アイディア:その人の人格と行動が一致していないと疑いが生まれる
会社のために自らのお給料を下げたPrice氏ですが、初めの好印象から一転、身内からの訴訟や相次ぐ非難が起きてしまいました。
私は言葉よりも行動の方がその人の人格を現していると考えています。今回のPrice氏のケースで考えると、それまで年間110万ドルも稼いでいた億万長者の方が、お給料を下げ、社員の方の給料を上げるとなって、何か裏で企みがあるのではないのか?という疑いが生まれたのではないでしょうか?自身のお給料に関しても、Apple社のスティーヴジョブスのようにお給料ゼロというところまで振り切るわけではなく、7万ドルは貰うというところも、やっぱりお金は欲しいんだ………という考えに繋がったのではないでしょうか?
その結果、ネガティブなイメージが作られ、この一連の政策は会社のアピールだという非難が生まれたのだと思います。
会社自体は売り上げも上がっており、好調のようなので、これからのPrice氏の行動を見てみたいなと思います。
さおりん